作品紹介 031 乱舞
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『乱舞』 目次 初心 苦悶 山荘 奥付 96134文字 241枚 たとえ否定されるべき愛だとしてもこれは愛と被虐の物語なのです。 その娘を最初に目撃したのはエレベーターの中だった――。 ここまできたら、偶然を必然にしなければ。 私ははっきりと彼女のことを意識した。 「もう会えないってことですか?」 話の苦手な娘。珠々華は一生懸命、言葉を発している。 「答えは常に、イエスかノーの二つしかない。イエスと珠々華が答える間は付き合いは続く。ノーと言ったらそこで終わる」 簡単なルールを男は提示した。 「私は君を口説いたりしない。私を愛してくれとは言わない。珠々華が私の言うことをきいてくれるだけで十分だ。それ以上のことは求めない。憎んでくれてもいいし、嫌ってくれてもいい。おそらく私を恨み、嫌うようになる」 |
著者からのメッセージ
『乱舞』は、『乱舞 被虐OL珠々華』に加筆修正して改題した作品です。ブログでは2013年12月8日から2014年5月11日まで51回にわたって連載しました。
たとえSM小説でも、基本的に恋愛小説であってもいいはずです。ボーイ・ミーツ・ガール。それが恋愛のはじまりだとすれば、主人公である「私」が、エレベーターで珠々華を見た瞬間に恋に陥ったのです。
しかし「私」にはいくつもの負の側面がありました。会社では疎まれて早く外に出ていってほしいと思われている。彼の持つ大きな資本とのコネクションが恐ろしいのです。そのコネクションは、彼の女性に対する趣味から生まれたといってもいいものでした。
最後の賭けに出る男。彼が見つけたのはそれにふさわしい女性、珠々華。ですが、彼はためらいもするのです。巻き込んではいけないかもしれない。だから積極的には動きませんでした。それが、思いがけない再会。恋愛というものはこうした偶然の重なりによって行方が大きく変わるのです。
もちろん、著者の世界がきっちり入り込んでいる作品です。あえて「SMロマン小説」とし「ロマン」を入れたのは、恋愛、それも男の視点による幻想的なまでの感情を扱っているからです。
珠々華がどのような気持ちで「私」の課する理不尽な行為に、従い続けたのか。それは謎です。「ノー」といえばそこで暴虐は終わることが約束されているのに。彼女の先輩にあたる女性が、どのような結末になっているのかも、知っているはずなのに。
書きながら、「被虐的な性愛の情熱は、純粋な恋愛の情熱と重なるものだろうか」という疑問がわきました。相乗効果があるのだろうか。それとも並行的なものか。
特殊すぎる愛のカタチ。否定するのは簡単です。しかし、もしかしたら、この地上のどこかで、こんな愛を実現している男女がいてもいいのではないでしょうか。
あえてその答えは書いていませんが、お読みになりながら、そんなことに思いをはせていただければうれしいです。
今回、これまでの「あんぷらぐど」と違うことをいくつかしています。きわめてオーソドックスな編集をしました。たとえばタイトル。これまでは過剰な言葉を使うことが多かったのですが、今回はバッサリ削りました。
さらに本文も細かい見出しを排除し、大きく3つのパートに分けました。
「初心(うぶ)」では、恋愛と偶然、そしてソフトな内容で珠々華を描きます。
「苦悶」では、SM小説的な責めや調教がしっかりと彼女を変えていく様子を描きます。
「山荘」では、一般的な嗜好の人は立ち入り禁止の危険な世界。つまり「あんぷらぐどワールド」ということになります。
今後は、このようなタイプの作品も書いていく予定でいます。どうぞ、お楽しみください。
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